売上を伸ばす営業体制の構築とは? SFA・CRM活用で属人営業を脱却
会社として売上を伸ばしていくには営業力の向上は必要不可欠です。
ただし、営業力を向上させて売上を伸ばすためには、組織の特徴や課題を把握し、適切な対策を実施しなければなりません。
本記事では、売上が伸びない営業体制の特徴やその解決策、営業力強化のために実施すべき施策、営業組織のDX化で陥りがちな失敗例、適切なツールの選定について詳しく解説します。
売上が伸びない営業体制の特徴4つ
売上が伸びない組織の営業体制には次の4つの特徴があります。
特徴①:属人化した営業組織
属人化した営業組織体制は、営業成績や顧客情報が個々の営業担当者に任されている状態で、組織としての情報共有が不十分であることが多いです。
このように営業担当任せの組織になってしまうと、チーム全体の売上向上に繋がる情報やノウハウが活用されず、成果が出にくくなる傾向があります。
仮に一時的に売上が向上したとしても、再現性が低く、毎月の成果にばらつきが出てしまうなど安定感の欠いた組織になるのは目に見えています。
営業の成果に限らず、全体の成果や個々人の営業手法を把握できないことから、マネジメント層にも悪影響を及ぼし、意思決定が遅れたりミスの発生が常態化したりするのです。
特徴②:顧客ニーズの不理解
営業組織が顧客のニーズを正確に理解していない場合、適切な提案やアプローチができず、売上に繋がりません。
その要因は顧客とのコミュニケーション不足やマーケット調査の不十分さが考えられます。
くわえて、顧客のニーズを把握できないことは顧客視点を欠くことにもつながります。顧客視点を欠いてしまえば、自社視点での商品の売り込みに終始してしまう傾向があるのです。
このように売ったら終わりの営業活動に注力していると、アップセルやクロスセルといった収益創出の機会を逃すだけでなく、顧客との関係が長続きせず信頼をしてもらえません。
特徴③:情報共有体制の不整備
情報共有体制が不十分な営業組織では、営業活動や顧客情報があちこちに分散し、各担当者間の連携ができずに、情報の正確性が欠けてしまいます。
たとえば、ある営業担当者が新規顧客を訪問したにもかかわらず、情報の登録と業務報告提出を怠ると、また別の担当者がアプローチしてしまうという事象が起きるなどです。このように、情報共有がうまくいっていないと、売上向上の機会を逃す可能性が高いのです。
多くの営業現場において、CRMやSFAといった顧客管理ツールの導入は進んでいますが、社内ルールやマニュアルの周知がうまくいっていないせいで、せっかくのデータが使い物にならないことも珍しくありません。
一部の担当者が独自運用をしてしまうと、ツール内のデータがブラックボックス化してしまい、営業の効率化や売上の向上は遠のいてしまいます。
特徴④:精神論に頼った営業体制
経験や勘に頼った精神論的な営業体制では、データや分析に基づく戦略や意思決定が行われず、効果的な営業活動が困難となります。いわゆる昭和的な足で稼ぐような営業手法のことです。
客観的なデータの活用がないまま営業活動を行うため、効率的な改善や売上最大化の機会を見逃してしまいます。
たとえば、データも活用せずに、これまでの経験則をもとに一日中テレアポに取り組ませ、成果が出ないと担当者のせいにするなどです。このような営業組織体制では、ノウハウが蓄積も共有もされず、ただやりっぱなしになってしまうことから、従業員が疲弊してしまうだけになります。
営業力強化のために実施すべき5つの施策
組織全体の営業力を強化し平準化するためには、以下の5つの施策を実施することが重要です。
その1:営業プロセスの設計を把握
効果的な営業活動を行うためには、営業プロセスの設計と把握が重要です。
営業プロセスを明確に定義し、各段階でのタスクや責任を明確化することで、効率的な営業活動が可能となります。
この営業プロセスとは、見込み客の開拓から実際のアプローチ、販売、アフターフォローまでの一連の過程のことです。
また、プロセスの改善や最適化も組織として継続的に行うことで、売上の向上につなげることができます。
営業プロセスを設計することで、定性的な営業担当者の行動が可視化され、結果的に属人化を防ぐことになります。
いかに営業プロセスの各フェーズにおける顧客の行動や感情などの仮説立てをし、そこに対してどのようなアクションを行うかを体系化することが重要なのです。
その2:有効なSFAやCRMを活用
SFA(Sales Force Automation)やCRM(Customer Relationship Management)などの営業支援ツールを活用することで、営業活動の効率化と顧客情報の一元管理が可能となります。
これにより、顧客との関係構築やセールスプロセスの可視化が容易になり、営業成績の向上に役立てることができるでしょう。
営業活動に必要なデータを組織内できちんと定義づけをし、これらのツールに集約していくことで、データに基づいた営業活動が実施できるようになります。
たとえば、SFAで蓄積したデータに基づいて、CRMを活用し見込み客が興味を持ちそうなブログの情報やダウンロードコンテンツを作成することができます。このように整理した情報をもとに、メルマガを配信するなど、効果的な活用方法は様々です。
営業組織の属人化を防ぐためには、SFAやCRMのようなツールの導入は不可欠といえます。
その3:業務を限りなく自動化
効率的な営業活動を実現するためには、業務の自動化が不可欠です。
情報管理ツールを活用して、定型業務や煩雑な手作業を自動化することで、営業担当者はより多くの時間を顧客対応や戦略的な営業活動に割くことができます。
自動化することにより生じうるミスなどのリスクも軽減され、生産性と売上の両面で効果を発揮します。
その4:営業メンバーの業務・行動を可視化
ツールの有効活用によってデータが蓄積されると、営業組織として営業メンバーの業務や行動を可視化することができるでしょう。
顧客情報の一元管理や顧客へのアプローチ情報などが集約されることで、チーム全体のパフォーマンスを把握し、改善点を特定することができるのです。
活動記録や成果のモニタリング、目標管理などを通じて、個々の営業担当者の成長と売上の最大化を促進することができます。
チームのマネジメントを担う責任者は、いかにデータの分析を行い、顧客視点の営業ができているかどうかのフィードバックができるかが重要。それらが実現できるようになると、営業全体のスキルが平準化して、成果につながる組織づくりができると言えます。
その5:エース営業に頼らない組織の標準化
営業力を組織全体で均一化するためには、エース営業に頼らずに標準化を図ることが重要です。
明確な営業手法やプロセスの共有、トレーニングや教育プログラムの実施などを通じて、営業メンバー全体の能力を向上させることができるでしょう。
個々のスキルや経験に頼るのではなく、組織全体でエース営業のコミュニケーションの特徴や提案の方法、タイミングなどを共有し、営業力を全体で引き上げていくことが重要です。
ただ、成功事例を会議の場で発表させているだけでは、何が具体的な成功要因か各営業マンも把握が難しいでしょう。前述のSFAツールを活用するなどして、エース営業のノウハウを記録して営業組織全体に共有することは必要不可欠です。
このように、メンバー間の連携と協力を強化することで、より効果的な営業活動が可能となります。
営業力組織DX化で陥りがちな失敗例
営業力を組織全体で向上させるためのDX化においては、以下のような失敗例に注意が必要です。
失敗例1/営業現場の実情と合わないSFAの導入
SFAの導入にあたり、営業現場の実情やニーズを十分に考慮せず、機能やカスタマイズ性に欠けたツールを導入すると、営業担当者の抵抗感が生じたり活用意欲の低下につながったりする可能性があります。
せっかくツールを導入しても、形骸化したり活用できなかったりするのは、失敗する組織のよくあるパターンの一つです。
営業現場の声を反映させた適切なSFAの選定と導入計画が必要といえるでしょう。
失敗例2/SFAを活用しない営業担当者
優れたSFAを導入しても、営業担当者が活用しないと、効果が発揮されません。
適切なトレーニングやマニュアルの共有などを通じて、営業担当者にSFAの価値と活用方法を理解させる必要があります。
そのためにはまずマネジメント層がSFAのメリットや活用方法を理解することが必須となります。
失敗例3/営業効率化に活かされない入力データ
SFAやCRMにデータを入力することは重要ですが、入力されたデータが活用されずに終わってしまう場合、営業効率化や売上向上の効果を最大限に引き出すことができません。
データの品質管理と分析への活用、ナレッジの共有を徹底し、営業活動の改善に生かすことが必要です。
失敗例4/部門間のデータ共有がうまくいっていない
営業活動だけでなく、他の部門とのデータ共有も重要です。
しかし、部門間の情報共有が不十分である場合、営業メンバーが顧客との関係やニーズに基づく重要な情報を得ることができず、せっかく蓄積したデータを営業に活かすことができません。
情報共有の文化を醸成し、適切なツールやプロセスをきちんと導入することを心がけましょう。
活用するべきツールの選定
営業力強化のためには、適切なツールの選定が重要です。
SFAツールの選び方
SFAツールとは、営業支援システムのことを指し、営業の業務効率化を図るために組織が導入するツールです。
SFAツールを選ぶ際には、以下のポイントに注意しましょう。
・ユーザーフレンドリーなインターフェースと使いやすさ
・モバイル対応やクラウドベースの利便性
・カスタマイズ性や柔軟性の高さ
・レポートや分析機能の充実度
・インテグレーションの容易さ(他のツールやシステムとの連携性)
これらを兼ね備えたSFAツールの導入を行うことで、営業活動の報告にかかる時間の短縮できるだけでなく、案件への対応状況をリアルタイムで共有するなど、営業活動の様々な局面で効率化を図ることができます。
CRMツールの選び方
CRMツールとは、顧客情報を収集・分析できるツールのことです。これらを可能にすることで、顧客ごとの最適なアプローチ方法を仮説立てることができます。
CRMツールの選定に際しては、以下の要素を考慮しましょう。
・顧客データの一元管理とセグメンテーション機能
・顧客コミュニケーションのトラッキングと履歴管理
・セールスパイプラインの可視化と管理機能
・カスタマーサポートやチームコラボレーション機能
・レポートやダッシュボードの生成と分析機能
営業の現場だけでなく、会社全体で共有することで部門間の情報共有も容易になります。
商談アシストツールについて
近年、オンラインでの商談が当たり前になり、商談アシストツールの導入にも注目が集まっています。
オンライン商談(WEB会議)では相手の顔を見ながら、感情を読み、状況に応じて臨機応変な営業提案をすることは、対面営業と比べると難しくなっています。
そんななかで商談をしながら、メモをとることは、商談相手に向き合う集中を削ぐ行為にもなります。
それこそ、「対面営業の方が向いている」や「オンライン商談の方が得意」などの向き不向きの話に直結し、営業組織として成果を出すのが困難になってしまうのです。
そこで、オンライン商談中に自動で議事録をとってくれるなど、業務効率にもつながる商談アシストツールは営業活動をサポートするために重要といえます。
たとえば、当社が再現性のある営業の仕組み化を目指して開発したFront Agent®は、以下の特徴を持っています。
- WEB会議・電話・対面の会話の自動音声議事録
- 商談の成功要因を解析し状況に応じた最適な対応をレコメンド
- 顧客データの統合と一元管理(CRMやSFAとの連携が可能)
- リアルタイムな情報共有とチームのコミュニケーション強化
- 日程調整機能
Front Agent®は営業力を向上させるための有力なツールの一つであり、営業組織のDX化に貢献することができます。
トップセールスの商談ノウハウをAIが分析し、テキストで解析。さらに実際の会話から勝ち筋を導きだします。
売上を伸ばす営業体制構築のために、まずは機能説明デモから試してみてください。
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まとめ
営業力を強化し売上を伸ばすためには、営業組織の特徴や課題を理解し、適切な施策を実施することが不可欠です。
営業プロセスの設計、SFAやCRMの活用、業務の自動化、営業メンバーの業務・行動の可視化、エース営業への依存を減らす標準化などが重要となります。
このように実施すべきことを把握し、ツールを有効に使いこなしながら、効果的な営業活動と売上の向上を実現しましょう。