商談解析とは?基本から施策5ポイントなど初心者にわかりやすく解説
従来、営業や人事のコミュニケーション業務は、担当者の経験による自己判断で属人的に実施していることが一般的でしたが、近年の音声認識AIの技術力向上により商談内容を音声認識や感情分析をして、担当者の対応力を可視化するサービスが誕生してきました。
今回は、商談解析をすることで得られる大きな効果について解説します。
商談解析とは
商談解析が生まれた背景
コロナ渦によるニューノーマルの浸透により、テレワークが一般化してZoomやTeamsといったWEB会議での営業が増え、今まで相手の一挙手一投足を見て対応判断をしてきた営業マンにとって、相手の温度感が見えない状態での営業は難しいものでした。
また、従来から商談は同席しない限り、具体的に何を会話していたか分からない、担当者のレポートだけが頼りの世界でした。
そこで、音声認識AI技術が実用レベルまで発達したことで、これらの技術を駆使して商談をデータ化して、商談透明化や商談手法の洗練を効率化できる「商談解析ツール」が誕生しました。
商談解析ツールとは、マーケティングがWEBへデジタルシフトしたように、営業がデジタルシフトするために必須となる商談効果測定ツールと言えます。
商談解析のイメージ
広告やホームページではアクセス解析が浸透してきましたが、中でも有名なGoogle Analyticsが誕生したのは2005年で、2022年現在で17年目のサービスです。
まだ20年も経っていないサービスですが、今やデジタルマーケティングの要となっており、カスタマージャーニーの設計や顧客接点の改善に使われています。PV(ページビュー)数やLTV(ライフタイムバリュー)といった単語を見たことがある営業マンは多いと思います。
このような画面でWEB広告はどのキャッチコピーがいいのか、ホームページのデザイン、ユーザー導線はどう改善するべきか、を数値をベースにして客観的にトライアンドエラーを効率良く繰り返します。
一方、営業現場はまだまだ数値化できる技術がなかったこともあり、2016年ごろから少しずつ表舞台に会話のデータ化技術が出てきました。
音声認識による文字起こしは当然のこと、感情分析という非言語的コミュニケーションと呼ばれる感性に訴える部分の数値化・カテゴリ化が始まりました。
ーーーーー例:音声や映像から音声認識・感情解析のイメージ
そして、コロナによるテレワークの浸透により、営業マンの商談もオンライン上で行われることも増え、広告と同様に商談のデータ化ユースケースはどんどん増えています。
マーケティングと同様に、営業もインサイドセールスが加速して、どのような商談が効果的なのか、商談分析を軸に営業をする時代が予想できます。
営業マンの立ち位置の変化
インターネットの普及により、お客様が自分で商品情報を取得でき、マーケティングのデジタル化が進むことで営業マンと会話をする前から興味対象が定まっている商談が増えてきました。
プッシュ型営業(売り込み型営業)からプル型営業(質問型営業)に営業スタイルを切り替える、ということなのですが、チャットボットの発展・普及により、簡単な定型対応はWEB上で完結する時代にもなっています。
営業マンの立ち位置はチャットボットで対応できない複雑なプル型営業とアフターサポートや踏み込んだ顧客満足度調査を同時に行う、といった「複雑」で効率的な「マルチタスク営業」にまでスキルを要求されています。
先ほど20年も経たないデジタル広告の台頭と同じように、ここ数年でプル型営業を超える「マルチタスク営業」が必須スキルになります。
今まで一部のエースしかマルチタスク営業、発展性・柔軟性がある営業をできなかったのに、お客様の理論武装とチャットボットを超える対応力を全営業マンが数年で取得しなければならない時代である、ということを意識すべきです。
でなければ、営業改革に出遅れた企業ほど、デジタルマーケティングに出遅れて顧客を逃した企業と同様の末路を迎えることになるでしょう。
属人的な営業の問題と人ならではの悩み
現場任せの営業、いわゆるアナログ営業には大きな問題が隠れています。
特に商談現場が担当者・出席者以外全く分からないことで、報告されない内容は全て捨てられるデータになっていることです。
たまに同席したらアップセルできる流れなのにアップセルの提案すらしない。踏み込んだ質問もしない。ということが発覚したマネージャーの方も多いと思います。
また、営業研修やロープレについても、せっかく高い研修費、長い研修期間を設けたのに現場で全く実践されずに全く効果がない。ということも見逃している可能性もあることです。サボっている可能性すらあります。
さらには、営業マンも人間なので、どうしても忘れてしまうため、時間が経つほど研修効果が薄れていきます。意識していても、現場の商談中に今までやったこともない営業手法を実践する、という余裕もないかもしれません。
最悪のケースは、説明義務のある項目を説明せず契約するなど法律に抵触する営業をしたことが社会問題になることです。ニュースになったことも多いです。
かといって、毎回同席して営業支援することは現実的に無理かつ非効率です。
ここで商談解析ツールが効果を発揮します。
これだけ人の能力だけに依存した営業体制は組織として脆いです。転職者が出るたびに地盤が揺らぎかねません。
これを変えていかねばならない!として生まれた動きが「セールスイネーブルメント」です。
商談解析のメリット・デメリット
商談解析のデメリット
まず気になるデメリットからご紹介します。多くの場合、デジタルシフトに遅れた部門へのDX推進になるため、データ戦略の重要性理解や意識変革が必要になります。
- 使用するツールが増える
- データの扱いを覚える必要性
- 導入コスト(しかし一概にコスト高とは言えない)
- 反対勢力との戦い
商談解析のメリット
主なメリットは以下の通りです。ツールによってできる機能が違うため、1つのツールですべてのメリットを満たせるかは調査が必須です。
- 商談内容のテキスト化(+自動要約:ツールによる)
- 商談スキルの可視化
- 商談の個人トレーニング
- ZoomやTeams、CRMといった外部連携で手軽に営業力強化
ツール選び方の優先ポイントとおすすめ
商談解析ツールの選び方の優先ポイントは以下の通りです。
- 商談中のサポート
- 具体的な改善策の可視化
- 解析結果の要点閲覧
- 用途の柔軟性
- 豊富な外部連携
商談中のサポート
なぜ商談中のサポートが最優先事項なのか、ですが、属人的な営業の段落でも解説した通り、人間が商談をする以上、商談中に改善手法を忘れずに実践できるかにあります。
いくらデスクワークで研修内容や先輩の営業指導を受けても、現場で実践できなければ全く意味のない時間になってしまうということです。
デジタルマーケティングが浸透しやすい理由は、実践と検証を確実に行うPDCAサイクルが構築されているからです。
具体的な改善策の可視化
優先事項2の具体的な改善策の可視化につながるのですが、商談解析で最も注意すべき点は、商談の内容に関係が薄い情報の数値化です。
商談の重要ポイントという定義はデジタルマーケティング以上にあいまいです。そのため、音声周波数や出現単語の多さといった指標を用意されて、果たして現場はその指標から何を学べるのか、ということを吟味してください。
解析結果の要点閲覧
解析結果の閲覧性も重要です。特に商談をデータ化するため、録画や録音を全て閲覧することは運用上絶対に実施しません。
導入初期は興味本位で商談の録画を見直す、聞き直すことはするかもしれませんが、実際に重要なポイントは限られます。理想はデジタルマーケティングと同様に1つの商談でも1枚のダッシュボードのように、何があったのか、何を改善すべきかが1画面に集約されていることです。
用途の柔軟性
商談の展開はマルチタスク営業になり、商談といえど目的は成約・カスタマーサクセス・市場調査というように、一度の商談で実施したい行動パターンは変化します。
これらの商談目的の違いで当然対応方法は変わります。すべての商談を一緒くたに同じ分析結果で上手い下手を議論するツールは避けるべきです。
豊富な外部連携
現代のビジネスは様々なツールで支えられています。CRMやZoom、Teams、Slack、ラインアットといったコミュニケーションツールなど、現在お使いのツールとの親和性も考慮すべき項目です。
特にデジタルシフトの障壁は、現場の浸透です。そのためにはユーザーの導線負担を極力低減できるようにしましょう。
おすすめツール
商談解析ツールは営業を本質的にデジタルシフトすると新しい概念、新しいツールです。
ここまで挙げた注意点を網羅するツールは限られます。
2022年5月現在、トップセールスの商談展開でリアルタイムにWEB会議や電話、さらに対面会議をサポートして、トップセールスと具体的な商談展開を可視化・比較できるツールは「Front Agent(フロントエージェント)」のみです。
Front AgentはAI議事録を発展したコネクテッドセールス・プラットフォームです。ZoomやTeams、ビジネスの電話が簡単にAI商談にアップグレードし、マーケティングオートメーションと同様に全担当者がPDCAサイクルを実践するSFA(セールスフォースオートメーション)を超えたFA(フロントマンオートメーション)を実現します。
導入2か月で売上20%アップ
社員は自身の成長課題と商談のハードルを正しく理解できるように、エースの同席頻度も減ったうえに、目に見えて売り上げが伸びています。
まとめ
商談解析を実施することで、高度な能力が必要とされる「マルチタスク営業」を最短距離で目指します。
商談解析ツールは従来の営業を改革する「セールスイネーブルメント」を構築することになります。
マーケティングのDXが2005年に始まり、2022年現在、営業のDXが対応の早い企業で広がっています。乗り遅れないように注意しましょう。