
「何が正しいトークなのか、わからない」── インサイドセールスの現場で、誰もが一度は直面する壁ではないでしょうか。パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社の札幌拠点ISチームは、37名のメンバーを抱えながら、トーク分析などのマネジメント工数圧迫と成果の標準化に苦心していました。Front Agentの導入により、ハイパフォーマーの"型"をデータで可視化。チーム全体の獲得社数は129%に向上し、個人では最大5倍の成果を記録した取り組みについて、プロジェクトマネージャーの伊藤颯太氏とユニットリーダーの石井結女氏に伺いました。
企業名 | パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社 |
業種 | BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)/コンタクトセンター |
規模 | 札幌拠点:プロジェクト22個、チーム37名在籍 |
課題 | 個人ごとのトーク分析の負担が大きく、育成・指導が経験・感覚に依存。 結果として、成果のばらつきを引き上げることが難しかった。 |
成果 | チーム全体の獲得社数129%向上、個人では最大5倍。 |
導入時期 | 2025年10月〜(インタビュー時点で約7か月) |

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パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社の札幌拠点のコンタクトセンターでは、現在22のプロジェクトが稼働しており、伊藤氏が統括するチームには37名が在籍。パーソルグループ内の他事業部からの依頼を中心に、インサイドセールス業務を担っています。
このチームが長く抱えていたのが、トーク分析の壁でした。
「個人ごとのトーク分析は、都度フィードバックして改善するという"点"のアクションになりがちでした。架電者ごとに"線"で分析して可視化するとなると、大きな時間がかかる。そこは課題として感じていました」(伊藤氏)
一人ひとりのコールを聴き、傾向を読み取り、改善につなげる。理想はわかっていても、膨大な通話量の前では「点」の把握が精一杯。チーム全体の傾向を「線」として捉え、体系的に育成へ落とし込む余裕がなかったのです。
現場でメンバーの育成指導を担っていた石井氏もまた、別の角度から同じ課題を感じていました。石井氏自身はもともと架電者として高い成果を上げてきた実績があります。しかし、ユニットリーダーとして10名のメンバーを率いる立場になったとき、壁にぶつかりました。
「自分の経験や知見に頼るしかない。"私だったらこうする"という感覚を、納得感を持って腹落ちしてもらえるように伝え続けるのが難しいと感じていました」(石井氏)
当時の育成手法は、ハイパフォーマーの音源を聞かせてアウトプットさせること。そして、自分自身のやり方を言語化して共有し続けることでした。
「とにかく文字に起こして、とにかく共有し続けるっていうのがずっとこれまでの手法だった」(石井氏)
さらに、当時のユニットリーダー層には架電経験の長い人材が石井氏以外にほとんどいなかったため、育成する側もまた標準化を必要としていました。営業の現場でよく語られる「2:6:2の法則」── トップ・ミドル・ローの比率は当たり前のこととして受け入れていたものの、それを引き上げる手段がなかったのです。
Front Agentの導入は、伊藤氏が着任する以前に進められていました。石井氏によれば、育成する側にも標準化できるシステムが必要だという現場のニーズが背景にありました。
「当時のユニットリーダー層は、架電経験の長い人が私以外にあまりいませんでした。育成する側も標準化できるシステムが必要だということで、"これいいよね"というところからどんどん導入が進んでいきました」(石井氏)
実は導入前にも、生成AIを活用したトーク分析は試みていました。通話の議事録を作成し、それを生成AIに投げて分析するという方法です。しかし、そこには限界がありました。
「結局は"点"の分析しかできていませんでした。議事録をまず自分たちで作ってから投げなきゃいけない。結局、人力が入ってしまうんです」(伊藤氏)
Front Agentは、通話システムに接続するだけで自動的にデータが蓄積されていく仕組みです。議事録を手作業で作成する必要がなく、個別の通話を「点」ではなく「線」や「面」として分析できる点が、従来の方法とは大きく異なっていました。
2026年1月に着任した伊藤氏は、Front Agentの分析画面を初めて見たとき、直感的にその価値を感じたと言います。
「パッと見でわかりやすいアウトプットが返ってきました。"この人はこういう特徴があるんだ"とか、深掘りして見に行くと"こういう言葉をよく使っているんだな"というのが、私がまだ何もわからない状態でも、すぐにキャッチできました」(伊藤氏)
石井氏も同様に、日々の業務の中での使いやすさを実感していました。
「期間ごとに"大体こういう傾向にあります"と簡単に可視化してくれるので、視認性がとても上がりました。データが自動的に蓄積されていくのも、楽でありがたいです」(石井氏)

チームではK氏をハイパフォーマーの「師匠」として設定し、他のメンバーとの比較分析を行いました。K氏がパーソルグループの既存関係を活かしたアプローチに強みを持つことは、チーム内で認知されていました。しかし、伊藤氏はその「重要性」を十分に理解できていなかったと振り返ります。
「やり方自体は認知していたものの、その重要性までは理解できていませんでした。"正しいんだろうか、このやり方は"という不安があった状態がスタートだったんです。Front Agentを使ってみて、しっかり取れている案件はちゃんとここを押さえているよね、というのがデータで見えるようになった。そこで初めて"正しさ"がわかるようになりました」(伊藤氏)
K氏本人にとっても、Front Agentは新たな気づきの機会になりました。自分なりの型を持って活動してきた中で、「私これで良かったんだ」という確信と、「もっとここできるよね」という伸びしろの発見。K氏からは「教えてくださってありがとう」という言葉が返ってきたと言います。
A氏はK氏と並ぶトップパフォーマーでした。第三者が音源を聴いても、二人のトークは似通って聞こえます。しかし、Front Agentの分析は、その"見えない違い"を浮き彫りにしました。
「"同じ言葉でもこんなにタイミングが違うんだ、使う量や頻度が違うんだ"と、すごく驚いていました」(石井氏・A氏の反応として)
A氏はこの差分を即座に自分のトークに反映。フィードバックを受けた次の架電からすぐに実践し、一時はK氏を超えるパフォーマンスを発揮しました。
W氏の場合は、A氏とは異なるアプローチが有効でした。K氏とW氏の比較分析(トーク内で使用する言葉の可視化)を行ったところ、課題はシンプルに見えました。
「"この言葉、使ってないよね"というのが一目瞭然に出てくるんです。使っていないのと使っているのとでは、差がかなり大きい」(伊藤氏)
まず「使っていない言葉」を取り入れ、ヒアリングの網羅性を上げるところからスタート。高度なテクニックではなく、基本を押さえることが大きな伸びしろにつながりました。
石井氏にとって、Front Agentの価値は分析だけにとどまりませんでした。冒頭トークの重要性について、「何となくそうだろうな」と感じていたことが、データとして明確に言語化されたのです。
「"こういう表現をすれば伝わるんだ"という発見は驚きでした。そこに自分は技術を持ち合わせていなかったなと、反省でもあり、驚きでもありました」(石井氏)
さらに、ハイパフォーマーの分析結果を見ることで、石井氏自身にも気づきが生まれました。
「自分がやってきたことがハイパフォーマーと似ているんだな、という気づきもありました。そこから自信を持って育成に使える内容になったと感じています」(石井氏)
自分の経験が正しかったという裏付けを得たことで、メンバーへの指導に自信を持てるようになったのです。
導入前 | 導入後 | 変化 | |
|---|---|---|---|
1人当たり月間獲得社数 | 10社(7月) | 12.9社(3月) | 獲得率129% 向上 |
個人の最大伸び | — | ー | 5倍のパフォーマンス向上 |
成果が見えるまでの期間 | — | 早い人で2週間 | — |
管理者のトーク分析時間 | 月3〜4時間 | ほぼ自動化 | 捻出していた時間がそのまま他業務に |
同等の分析を人力で やった場合の想定工数 | 月20時間以上(分析手法の習得含む) | 自動化 | 人力では到達困難な分析が実現 |
トーク傾向の把握方法 | N1の音源聴取+感覚 | 全件データによる傾向分析 | 「点」から「線・面」へ |
上長への報告の根拠 | サンプルベースの推測 | 全件データに基づくエビデンス | 信憑性の向上 |
成果の出方には、明確なパターンがありました。
トップパフォーマー(K氏) は、フィードバックが自己確認と伸びしろ発見のきっかけになりました。自分のやり方の正しさが裏付けられたことに加え、まだ改善できるポイントへの気づきも得られています。
ミドル層(A氏) は、K氏との差分を特定し、次の架電から即座に実践。同じ言葉でもタイミングと頻度の違いという、第三者が聴いても気づけなかった差分をキャッチアップしたことで、一時トップを超える成果を出しました。
ローパフォーマー(W氏) は、「使っていない言葉」の特定から着手。基本の網羅から始めることで、着実に成果を改善しています。
数字の変化と同時に、チームの「文化」にも変化が生まれました。
指導の方法が、リアルタイムの架電中の指示だけでなく、蓄積データに基づく振り返りを加えた2軸体制に変わりました。石井氏は「今月こういう傾向だったよね」「こういうこと言えるようになったよね」というフィードバックができるようになったと言います。
管理者間のコミュニケーションも変化しました。
「同じデータを見ながら会話できるとスムーズに話が進む。そこはかなり大きな違いですね」(伊藤氏)
石井氏も管理者目線でのメリットを実感しています。
「管理者側の工数がかなり削減されています。その分、他の業務にも時間を割けるようになりました」(石井氏)
トークの傾向という、これまでデータ化しづらかった領域が、共通言語として扱えるようになったこと。伊藤氏はこの変化を次のように表現します。
「トークの傾向をデータで表現するのは難しい領域でした。そこをデータとして扱えるようになったのは大きいですね」(伊藤氏)
現在、Front Agentは定常的なマネジメントツールとして活用されています。週次でのトーク傾向分析に加え、数字が落ちたメンバーや行き詰まりを感じているメンバーの要因分析を随時実施。フィードバックと振り返りの道具として、チームに定着しています。
2026年度からは、さらに活用範囲を拡大する予定です。採用に特化したチーム、全サービスを扱うチーム、そして単一商材の案件など、今後全体へ展開していきます。
「課題に直面している案件が一つあるので、そこを一歩前進させてくれるような成果を出せたらと思っています」(伊藤氏)
さらに、新人研修への組み込みも構想中です。
「ロープレの音源をFront Agentに読み込ませて分析してもらう、というのは結構効果がありそうだなと感じています」(伊藤氏)
もう一つ注目しているのが、「取れなかった理由」の分析です。これまでは獲得できた案件の成功要因を探ることが中心でしたが、今後は断られた案件の要因分析にも取り組んでいきたいと伊藤氏は語ります。
「"取れていない理由"を探しに行く、逆側の方向性での分析もやってみたいですね」(伊藤氏)
石井氏も、他チームへの展開に期待を寄せています。
「他のチームにもFront Agentを展開できたらより良いなと思います」(石井氏)
最後に、お二人にFront Agentを一言で表現していただきました。
伊藤氏は「分析の加速」「パートナー的な存在」と表現します。
「トークの正解を探すのは難しい領域です。そこにどれくらい時間をかけるか、どこまで正しさを追い求めるか。その中で、ここまでサポートしてくれるツールはなかなかないと思います。時間の削減もそうですし、分析の着眼点や思考を助けてくれるという意味でも、ぜひ使ってみていただきたいですね」(伊藤氏)
石井氏は「先生のような存在、土台を作ってくれるような存在」と表現します。
「管理者側としても、架電メンバー側としても、共通の認識を持って動ける。標準化していけるというのが非常に良いところです。メンバーの育成にもなりますし、管理者側の知見にもなります」(石井氏)
経験と感覚に頼っていた育成が、データという共通言語を得ることで、チーム全体の成長エンジンへと変わる。
パーソルビジネスプロセスデザインさまの取り組みは、コールセンターでのマネジメントに悩むすべての組織に、その可能性を示しています。
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コールセンターのトーク分析・育成・マネジメントの標準化にお悩みの方は、Front Agentの活用事例を詳しくご紹介します。
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導入事例動画
まずは資料請求で、Front Agent®の全体像をご確認ください。
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