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営業とマーケティングの対立を解消する方法とは? 2つの部署が連携するメリットと成功事例

なぜ「営業とマーケティングの対立」は放置できないのか

「マーケティングが送ってくるリードは、冷やかしばかりで商談にならない」
「営業は現場の状況をフィードバックしてくれないから、施策の良し悪しが判断できない」

このような不満が社内で飛び交っているとき、営業とマーケティングの“対立”が表面化しているサインかもしれません。互いに不満を募らせる状態は、組織が拡大するほど起こりやすい「サイロ化」の典型です。しかし、この対立を「よくある話」と放置しておくことは、極めて重大な経営リスクとなります。顧客の購買プロセスがデジタル化し、営業が接触する前にすでに情報の8割以上を収集していると言われる今、営業とマーケティングが分断されている企業は、顧客の真のニーズ(インサイト)を捉え損ね、競合に顧客を奪われ続けているからです。

本記事では、両部門が対立する根本原因を整理し、ブラックボックス化した現場の情報を「組織のナレッジ」へと変換することで、組織の壁を取り払う具体的な解決策を解説します。

併せて、音声データをもとに議事録作成からその先のインサイト分析を行うインサイトアナリシス™「Front Agent」も紹介します。

営業とマーケティングが対立する「構造的要因」

なぜ、同じ会社の利益を目指しているはずの両者が、これほどまでに衝突してしまうのでしょうか。そこには感情的な問題以前に、組織構造上の「ズレ」が存在します。

① 評価指標(KPI)のミスマッチ

マーケティング部門の主要ミッションは「リード獲得」である一方、営業部門が追うのは「受注数」や「売上金額」です。たとえばマーケティング側は「資料請求を1,000件獲得した」と成果を強調しますが、営業側から見れば「商談につながったのは10件だけ」となれば、成果というより“対応工数が増えただけ”と受け止められかねません。両者は追う指標が異なるため、目指すべきゴールが最初から噛み合わず、認識のズレが生じてしまいます。

② 時間軸の捉え方の違い

マーケティングは中長期的なブランディングや、数ヶ月から数年かかる市場の育成も視野に入れます。これに対し、営業は「今月の予算」「今期の着地」という短期的な成果に追われることも少なくありません。この時間軸のギャップが、「マーケティングは悠長なことばかり言っている」「営業は目先の数字しか見ていない」という相互不信を生む一因になることがあります。

③ 顧客情報の「ブラックボックス化」

マーケティングはデータ上の「属性」や「行動ログ」を見ていますが、営業は商談現場での「生の反応」や「断り文句」に触れています。 しかし、営業担当者の頭の中にある「なぜ売れたのか」「なぜ響かなかったのか」という一次情報は、適切な仕組みがない限り、言語化・共有されることはありません。この情報の分断が、マーケティング施策を「机上の空論」に変えてしまいます。

サイロ化がもたらす「見えない損失」

営業とマーケティングが連携せず、それぞれが独立した「サイロ」の中に閉じこもると、企業には以下のような機会損失が発生します。

  • マーケティングROIの低下
    営業が望まない層への広告投資を継続し、獲得したリードが放置される。
  • 営業効率の悪化
    顧客の興味関心がわからないまま商談に臨むため、一からヒアリングをやり直す必要があり、成約までのリードタイムが伸びる。
  • 顧客体験(CX)の毀損
    ウェブサイトでのメッセージと、実際の営業担当者の提案にズレが生じ、顧客に不信感を与えてしまう。

「情報のナレッジ化」と「インサイト」が対立を解消する架け橋になる

対立を解消するために必要なのは、情報の可視化と、そこから得られるインサイトの共有です。

営業現場のブラックボックス化を解消する

営業とマーケティングの間に横たわる溝を埋めるのは、「現場で何が起きているか」という客観的な事実です。営業担当者の主観が含まれる日報や商談の議事録だけでは不十分です。 「顧客がどの話題に強く反応したか」「どの説明の時に沈黙が流れたか」といった、商談のディテールを可視化することが重要です。

「インサイト」を共通言語にする

インサイトとは、顧客自身も気づいていない、あるいは言葉にしていない「無意識のニーズ」のことです。 会話解析のAIを活用して商談の会話を解析すれば、特定の課題を持つ顧客がどのようなキーワードを使い、何に悩んでいるのかという「勝ちパターンの共通項」が見えてきます。このインサイトがマーケティング部門に共有されることで、広告のキャッチコピーや資料の内容が進化し、営業が求める「質の高いリード」が獲得できるようになります。

連携を成功させるためのステップとは?

ステップ1:共通のゴールを決める

「どのような状態を『質の高いリード』と定義するか」「リード獲得から何時間以内に営業がフォローするか」などといった明確なルールを策定します。

ステップ2:営業の「商談データ」を資産化する

営業現場の会話を、個人の記憶に留めるのではなく、会社の資産として蓄積する仕組みを導入します。Front Agentのような商談を録音できる会話解析ツールを活用し、すべての商談を「誰でも振り返れる状態」にします。これにより、マーケティング担当者はいつでも「現場のリアル」を追体験できるようになります。

ステップ3:フィードバックサイクルを高速化する

週次や月次で、マーケティング側が「このリードの反応はどうだったか?」、営業側が「最近の顧客にはこの訴求が刺さる」といった情報を交換する場を設けます。この際、個人の主観ではなく、ステップ2で蓄積した「解析データ」をエビデンスとして使うことが重要なポイントです。

ステップ4:ベストプラクティスの横展開

「なぜあの営業担当者は成約率が高いのか」を分析し、そのトークスキルや顧客への切り返しをナレッジとして標準化します。これがマーケティングにフィードバックされれば、ホワイトペーパーやウェビナーのネタとして活用でき、さらに質の高いリードを呼び込む好循環が生まれます。

AI会話解析ツールを活用して、営業とマーケティングが連携した好事例

事例①:SaaS企業

【課題】
マーケティング部門は「DX推進」というキーワードでリードを集めていましたが、営業現場からは「話が抽象的すぎて商談が盛り上がらない」という不満が出ていました。しかし、具体的にどう変えればいいのかが誰にもわからず、営業担当者は各々のやり方で商談を進める「属人化」が加速していました。

【施策】
同社はAIによる商談解析ツールを導入し、トップセールスの商談と、失注が続く商談の「言葉の差」を分析しました。その結果、成約に至る顧客は「DX」という言葉よりも、既存システムとの「データ連携」や「運用コスト」といった具体的な運用面の課題に強い反応(インサイト)を示していることが判明しました。

【結果】
マーケティングの変化: 広告コピーを「DX」から「システム連携の自動化」へと変更。これにより、最初から課題感が明確なリードが集まるようになった。

営業の変化: AIが抽出した「顧客に刺さるフレーズ」をスクリプト化。新人でもトップセールスに近い提案が可能になった。

最終的に、この企業では商談化率が2倍、受注率が1.5倍に向上しました。情報のブラックボックス化を解消し、共通のインサイトに基づいた戦略を立てたことで団結できるようになったのです。

事例②:製造業

【課題】
当企業では、マーケティング部門が最新の「省エネ性能」や「処理スピード」を前面に押し出した展示会やWeb広告を展開していました。しかし、獲得したリードに対して営業がアプローチしても、「今は検討時期ではない」「スペックは良いが、決め手に欠ける」と断られるケースが多発していました。
営業部門は「マーケティングの集客ターゲットがズレている」と不満を漏らし、一方でマーケティング部門は「営業の追いかけ方が足りないのではないか」と疑心暗鬼に陥っていました。

【施策】
そこで同社は、AI解析ツールを導入。特に「成約に至った商談」と「失注した商談」の会話内容を徹底的に比較分析しました。その結果、以下のようなインサイトが浮かび上がりました。

失注商談: 営業担当者が、マーケティング資料に沿って「省エネ性能」や「スピード」ばかりを強調。
成約商談: 顧客が口にする「既存設備のメンテナンス工数の増大」や「若手オペレーター不足」という悩みに深く踏み込み、解決策を提示。

実は、顧客が求めていた真の価値は「性能」そのものではなく、「導入後の運用負担の軽減」にありました。この事実は、ベテラン営業マンが無意識に行っていた「聞き出し」の中に隠れており、組織全体には共有されていないブラックボックスでした。

【結果】
このインサイトを基に、両部門は以下の改善を行いました。

マーケティングの刷新: キャッチコピーを「業界最高峰の省エネ性」から「熟練工不要。誰でも扱える自動メンテナンス機能」へと変更。ホワイトペーパーの内容も「人手不足時代の設備選び」に特化。
営業ナレッジの標準化: AIが抽出した「顧客の悩みを引き出す質問項目」を全営業担当者に共有。属人的だったヒアリングの質を底上げ。

マーケティングが獲得するリードの「商談化率」が導入前比で45%向上。さらに、営業側も顧客の核心を突いた提案ができるようになったため、リードタイムが約20%短縮されるという成果を収めました。

部門間に生じる「情報の非対称性」の解消を目指す

営業とマーケティングの対立は、個人の力量や性格の問題ではありません。原因は、部門間に生じる「情報の非対称性」という構造的な歪みにあります。

だからこそ経営者や管理職が取り組むべきは、「仲良くしよう」と呼びかけることではなく、営業現場に眠る貴重な知見を確実に吸い上げ、マーケティングへ還流させる“情報の循環システム”を設計・実装することです。

現場の会話がブラックボックスのままでは、組織は学習できません。会話データをAIで可視化し、再現性のあるナレッジとして整理・共有することで、個人の経験は組織のインテリジェンスへと昇華します。

その一歩が、サイロ化した組織を、顧客一人ひとりのインサイトに即応できる最強のビジネスチームへと変えていきます。

VoCから勝ち筋・インサイトを抽出するインサイトアナリシス™「Front Agent」

顧客の隠れた本音・意思決定する理由を可視化する「Front Agent」は、対面・Web会議・電話など、あらゆるVoCを自動で解析し、顧客の隠れた本音や意思決定の理由をファクトベースで可視化する「インサイト解析ツール」です。

商談時に録音・録画ボタンを押すだけでAIが議事録を作成し、SFAやCRMへのデータ連携も同時に完了します。さらに、蓄積されたVoCを元にインサイトを抽出し、「勝ち筋」や「顧客が本当に求めている価値」を導き出すことが可能です。

「顧客インサイトを事業に取り入れたいけど、データ収集や分析のリソースが足りない」とお悩みの方は、ぜひ一度「Front Agent」をチェックしてみてください。

インサイトアナリシス™「Front Agent」の特徴

会話を“傾向”データ化し、インサイト抽出

顧客と営業メンバーの会話の特徴を抽出。指定した顧客セグメントごとの特徴 / 共通点から、勝ち筋やインサイトをファクトに基づいて抽出

インサイト発掘のサポートコンサルティング

VoC活用に課題を感じている企業は多く、その主な理由として「集計や分析をするリソースが足りない」「収集や分析に時間がかかり活用するところまでいかない」が挙げられており、この課題を解決するための初期コンサルティングをセットに。

どこでも、誰でもカンタンに使える

会話の記録は録音 / 録画ボタンを押すだけ。議事録作成からSFA / CRMへの連携まで全て自動化蓄積された議事録データからインサイトの抽出までをAIエージェントが支援。

CRMやSFAなど既存ツールと連携できる

「Front Agent」は、既存のCRMやSFAシステムと連携することで、商談情報の一元管理と自動記録を実現します。活動記録やレポート作成といった事務作業に費やす時間を削減でき、より多くの時間をマーケティング戦略の立案や顧客との関係構築にあてることができます。 

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