
【実践】VoCがマーケティングを変える? 顧客の声で成果を上げる方法を紹介
【実践】VoCがマーケティングを変える? 顧客の声で成果を上げる方法を紹介
データドリブンな時代において、顧客理解の重要性はもはや議論の余地がありません。しかし、多くのマーケターや企画担当者の方が、アンケートや問い合わせで集めた顧客の声「VoC(Voice of Customer)」を、戦略的なマーケティング資産として活かしていくのは簡単なことではないです。
そこで本記事では、VoCをマーケティング戦略で活用するための具体的な集め方や活用方法をご紹介します。事業成果に直結させるためのロードマップとしてご活用ください。
目次[非表示]
- 1.VoCがマーケティングに不可欠な理由
- 2.マーケティングに活きるVoCの集め方 7選
- 2.1.① 1次情報として不可欠な「アンケート調査(購入後、利用後など)」
- 2.2.② 顧客の「痛み」が凝縮された「コールセンター/問い合わせ窓口の記録」
- 2.3.③ バイアスのかからない「SNS(X/Twitter、Instagramなど)」
- 2.4.④ 購買行動の決め手がわかる「レビューサイト/ECサイトの口コミ」
- 2.5.⑤ 深い背景を探る「ユーザーインタビュー/デプスインタビュー」
- 2.6.⑥ 行動と意見を紐づける「Webサイトの行動ログ/離脱時のポップアップ」
- 2.7.⑦ 現場の一次情報「営業・カスタマーサクセス部門からのヒアリング」
- 3.VoCを「インサイト」に変える分析のステップ
- 4.VoC・インサイトを活用したマーケティングの具体例
- 5.VoCからインサイトを抽出し、事業成長を加速させよう
- 6.インサイトアナリシス™「Front Agent」がデータドリブンを後押し
- 6.1.インサイトアナリシス™「Front Agent」の特徴
- 6.1.1.会話を“傾向”データ化し、インサイト抽出
- 6.1.2.インサイト発掘のサポートコンサルティング
- 6.1.3.どこでも、誰でもカンタンに使える
- 6.1.4.CRMやSFAなど既存ツールと連携できる
- 7.VoCを「Front Agent」で掘り起こし、「選ばれつづける会社へ」
VoCがマーケティングに不可欠な理由
顧客の行動やニーズが多様化する現代において、企業側の「思い込み」に基づいた施策は、容易に顧客とのズレを生み出します。その結果、広告費の無駄遣い、プロダクト開発の失敗、そしてブランドイメージの低下といった致命的なリスクにつながりかねません。
VoCを収集し、活用する最大のメリットは、この「ズレ」を最小限に抑えることにあります。
VoC活用のメリット | 具体的な効果 |
|---|---|
顧客視点の獲得 | 既存プロダクトやサービスの真の強み・弱みを把握し、顧客が真に求める改善点にリソースを集中できる。 |
パーソナライズ精度の向上 | 顧客の具体的な利用シーンや課題を把握し、One to Oneに近いコミュニケーションを実現できる。 |
LTV向上 | 不満点を未然に解消し、顧客ロイヤリティを高めることで、結果的にLTVの最大化につながる。 |
マーケティングに活きるVoCの集め方 7選
VoCの収集において最も重要なのは、「どのチャネルから、どのような目的で、どんな本音を集めるか」を明確にすることです。
ここでは、マーケティング施策に直結するVoC収集チャネルと、それぞれのポイントを解説します。
① 1次情報として不可欠な「アンケート調査(購入後、利用後など)」
特徴: 定量的なデータ(満足度、利用頻度など)と、自由記述による定性データをバランス良く収集できます。
|ポイント
設問は「満足度はいかがですか?」で終わらせず、「その満足度を選んだ理由は何ですか?」という掘り下げ型の質問を必ず加えましょう。表面的な評価ではなく、その背景にある「なぜ」を聞くことが、施策立案の精度を上げます。
② 顧客の「痛み」が凝縮された「コールセンター/問い合わせ窓口の記録」
特徴: 顧客が最も困っている、不満を感じている「切実な本音」が集まる、まさにVoCの宝庫です。
|ポイント
クレームや不満点だけでなく、「感謝の声」や「使い方の質問」にも注目しましょう。感謝の声は自社の訴求すべき強みになり、使い方の質問はプロダクトのUI/UX改善やFAQコンテンツのネタになります。近年は、これらの情報をテキストマイニングツールで分析し、傾向を素早く把握するのが主流です。
③ バイアスのかからない「SNS(X/Twitter、Instagramなど)」
特徴: 企業に直接届きにくい、匿名性の高い率直な意見をリアルタイムで収集できます。
|ポイント
自社やブランド名だけでなく、競合他社の名称や特定のハッシュタグをモニタリングしましょう。企業側のフィルターがかかっていない「生の声」こそ、顧客の行動原理を理解する鍵となります。信憑性に欠ける意見も含まれるため、トレンドとして捉える冷静さも必要です。
④ 購買行動の決め手がわかる「レビューサイト/ECサイトの口コミ」
特徴: 購買を検討している他ユーザーに向けた意見であり、商品・サービスへの購入決定の決め手や懸念点が凝縮されています。
|ポイント
総合評価(星の数)といった定量データだけでなく、具体的な利用シーンや比較対象に言及しているコメント(定性)を重点的に分析しましょう。カスタマージャーニーにおける「比較検討」フェーズの課題解決に直結します。
⑤ 深い背景を探る「ユーザーインタビュー/デプスインタビュー」
特徴: 顧客と一対一で対話することで、深い背景や感情を掘り下げて聞ける、最も濃い定性データです。
|ポイント
アンケートなどで浮かび上がった傾向の「裏側」を検証する目的で実施しましょう。重要なのは、「なぜそう思うのか」を5回以上深掘りする姿勢(「なぜなぜ分析」)です。潜在的なニーズや、本人が自覚していないインサイトが明らかになります。
⑥ 行動と意見を紐づける「Webサイトの行動ログ/離脱時のポップアップ」
特徴: 顧客の「行動」と紐づいた意見が取れるため、Webサイト改善に即効性があります。
|ポイント
「このページを離脱する理由は何ですか?」といったポップアップ質問は、特に有効です。どの段階で、何に困ったのかを特定できれば、Webサイトの導線、コンテンツ、価格表示といった具体的な課題が見つかります。
⑦ 現場の一次情報「営業・カスタマーサクセス部門からのヒアリング」
特徴: 顧客と日常的に接する社内の人間からのインプットは、顧客理解の解像度を一段階高めます。
|ポイント
顧客の声が「部署の都合」で歪められないよう、定期的なレポートラインを設け、現場の感覚的な情報(「最近よく聞かれるようになったこと」「特にロイヤリティが高い顧客の特徴」)を構造的に集約する仕組みが必要です。
VoCを「インサイト」に変える分析のステップ
VoCをどれだけ大量に集めても、単なる「声」のリストで終わっていては意味がありません。真のマーケティング成果を生み出すには、VoCを顧客の「インサイト(真の欲求)」に変える分析が不可欠です。
VoCとインサイトは以下のように異なります。
VoC(表面的な声) | インサイト(真の欲求・背景) |
|---|---|
「〇〇機能が使いにくいから改善してほしい」 | 「〇〇な状況で、〇〇という目的を達成したいが、現状の仕様ではそれができず、結果として不満を感じている」 |
このインサイトを導き出すための分析ステップを解説します。
Step 1: グルーピング・分類
収集したVoCを、「機能への要望」「サポートへの不満」「価格への意見」「競合との比較」といったテーマやトーン(ネガティブ/ポジティブ)で分類し、整理します。
Step 2: 傾向の把握(定量分析)
分類した意見の中で、どのテーマの意見が多いか、頻度、影響度を数値化して把握します。ここで最も深刻な課題や、最も評価されている強みを定量的に特定します。
Step 3: 「なぜ?」の深掘り(定性分析)
単に「不満が多い」で終わらせず、その表面的な不満の裏にある、顧客の行動原理、感情、そして隠れたニーズを推測します。これがインサイトの探索作業です。
- なぜ、この機能を使うことに手間を感じるのか?
- その手間をかけることで、顧客は「何を諦めている」のか?
Step 4: インサイトの言語化
深掘りした結果を、「顧客は【現状】ではなく、【真の欲求】を満たしたい」といった形で明確に定義し、チームで共有できる形に言語化します。
<インサイト言語化のイメージ>
「私たちのサービスを利用する顧客は、価格の絶対額が高いことに不満があるのではなく、初期段階でサービスが本当に役立つかどうかわからない状態で、高い学習コストや導入コストを負担することに強い抵抗を感じている。」
VoC・インサイトを活用したマーケティングの具体例
事例1:プロダクト開発・改善への活用
VoC | インサイト | 施策 |
|---|---|---|
所在地 | 新しいツールを導入する際、学習コストをかけずにすぐに成果を出したいという焦りがある。 | チュートリアルの整備ではなく、初期設定の極端な簡略化や、専門CS担当による初回オンボーディングの義務化にリソースを集中する。 |
事例2:コンテンツマーケティングへの活用
VoC | インサイト | 施策 |
|---|---|---|
「競合より価格が高い」 | 価格に見合う具体的な価値がイメージできておらず、導入の失敗を恐れている。 | 「価格競争」ではなく、「導入事例(成功体験)を詳細に伝えるコンテンツ」や「ROI(投資対効果)を試算できるツール」を提供し、不安を解消する。 |
このように、VoCをインサイトに昇華させることで、施策の方向性が根本的に変わり、より顧客の心に響くマーケティングが実現します。
VoCからインサイトを抽出し、事業成長を加速させよう
VoCの収集は、単なる顧客満足度向上のための活動ではなく、顧客インサイトという「資産」を獲得し、事業成長を加速させるための戦略的な取り組みの一つです。
本記事でご紹介した「VoCの集め方7選」を参考に、まずは自社でVoCを収集しているチャネルを棚卸し、「どのチャネルの声を、どのようにインサイトに変えるか」という仕組みづくりを始めましょう。
インサイトを中心としたデータを活用したお役立ち記事もご用意しておりますので、ぜひご覧ください。
インサイトアナリシス™「Front Agent」がデータドリブンを後押し
Umee Technologiesのインサイトアナリシス™「Front Agent」は、対面、WEB会議、電話、 あらゆる商談から得られたVoCなどを解析し、顧客の隠れた本音・意思決定する理由を可視化するインサイト解析ツールです。
インサイトアナリシス™「Front Agent」の特徴
会話を“傾向”データ化し、インサイト抽出
顧客と営業メンバーの会話の特徴を抽出。指定した顧客セグメントごとの特徴 / 共通点から、勝ち筋やインサイトをファクトに基づいて抽出。
インサイト発掘のサポートコンサルティング
VoC活用に課題を感じている企業は多く、その主な理由として「集計や分析をするリソースが足りない」「収集や分析に時間がかかり活用するところまでいかない」が挙げられており、この課題を解決するための初期コンサルティングをセットに。
どこでも、誰でもカンタンに使える
営業現場は録音 / 録画ボタンを押すだけ。議事録作成からSFA / CRMへの連携まで全て自動化。蓄積された議事録データからインサイトの抽出までをAIエージェントが支援。
CRMやSFAなど既存ツールと連携できる
「Front Agent」は、既存のCRMやSFAシステムと連携することで、商談情報の一元管理と自動記録を実現します。活動記録やレポート作成といった事務作業に費やす時間を削減でき、より多くの時間をマーケティング戦略の立案や顧客との関係構築にあてることができます。
VoCを「Front Agent」で掘り起こし、「選ばれつづける会社へ」
顧客の声(VoC)を的確に捉え、意思決定に反映することは、変化し続ける市場の中で「選ばれつづける会社」となるためには欠かせないことです。しかし、その鍵となる商談や顧客との対話データは組織内に埋もれがちで、マーケティングや企画の現場で十分に活かしきれていないのが現状です。
「Front Agent」は、あらゆる商談の会話データを解析し、インサイトや勝ち筋をファクトデータから導き出すインサイトアナリシス™です。データドリブンを推し進め、属人化を排した再現性の高い組織を構築をサポートするパートナーとして、導入を検討してはいかがでしょうか。


