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企画にインサイトを活用するための注意点は? 活用事例とよくある間違いも紹介

企画にインサイトを活用するための注意点は? 活用事例とよくある間違いも紹介

顧客ニーズを把握し、データに基づいて企画を立てている。それでも、なぜか成果につながらない――そんな経験はないでしょうか。その要因の多くは、表面的なニーズにとどまり、顧客の深層心理である「インサイト」を捉えきれていないことにあります。

企画立案においては、インサイトを起点にした設計こそが他社との差別化の鍵となります。本記事では、インサイト活用の基本から実践のポイント、よくある失敗までを解説します。

併せて、音声データをもとに議事録作成からその先のインサイト分析を行うインサイトアナリシス™「Front Agent」も紹介します。

企画を成功に導く「インサイト」の本質と活用の注意点

ニーズとインサイトの違い

「インサイト」と「ニーズ」は混同しやすいですが、両者には明確な違いがあります。

  • ニーズ(顕在意識)
    消費者が自分で「これが欲しい」「こうなりたい」と言語化できる要望。
  • インサイト(潜在意識)
    消費者自身も気づいていない、あるいは言葉にできていない、行動の裏側にある「本音」や「動機」。

例えば、「喉が渇いたからお茶を買う」のはニーズです。しかし、「本当はコーラを飲んでスカッとしたいけれど、健康診断の結果が気になるし、周囲に『不健康な人』と思われたくないからトクホのお茶を選ぶ」という、心の葛藤や見栄、不安の入り混じった本音こそがインサイトです。

企画立案でインサイトを活用する際の3つの注意点

インサイトは強力な武器になりますが、扱いを間違えると「独りよがりな思い込み」に陥ります。企画を立案する際は、以下の3点に注意して進めていきましょう。

①「事実(ファクト)」と「インサイト」を混同しない

アンケート結果や行動ログは、あくまで「事実」に過ぎません。例えば、30代男性の多くが仕事帰りにコンビニで高級スイーツを購入しているというデータがあったとします。しかしこの事実の裏には、誰にも褒められない過酷な業務を終えた後、自宅に戻る前のわずか10分間だけ、自分を「主役」に戻してくれる儀式を求める心理が隠れている可能性があります。

重要なのは、事実から「なぜ?」を何度も問い、その背後にある感情を丁寧に言語化することです。

②「自分たちの都合」をインサイトにすり替えない

企画を立てる際、どうしても「自社商品を売ること」が前提になりがちです。「顧客はこういう悩みを持っているはずだ(だから自社商品が売れるはずだ)」という仮説は、インサイトではなく「願望」です。インサイトはあくまで顧客起点。自社に都合の良い解釈をしていないか、客観的な視点を忘れないようにしましょう。

③ N=1(たった一人の声)を恐れない

統計的な有意差を求めるあまり、最大公約数的な意見ばかりを拾うと、企画は成果を生まない面白みのないものになります。インサイトは、時にたった一人の深い悩みや、矛盾した行動の中から見つかるものです。「一人の強い不満」を深掘りすることで、実は多くの人が潜在的に感じていた不便さが浮き彫りになることがあります。

インサイト活用の成功事例

事例1:食品メーカー|「手抜き」への罪悪感を「愛情」へ転換

ある冷凍食品メーカーは、当初「忙しい主婦のための時短」を訴求していました。しかし、調査を進めると、母親たちは「楽をしたい」と思っている一方で、「手抜きをして家族への愛情をサボっているのではないか」という強い罪悪感を抱いていることが判明しました。

  • 企画への活用
    「手抜き」ではなく、最後にフライパンで焼く、あるいはソースをかけるといった「ひと手間」を残した商品を開発。
  • 結果
    「私が作った」という達成感と愛情を担保しつつ、利便性を提供。罪悪感を「家族を想う時間」に変えることで、記録的なヒットとなりました。

事例2:BtoB向け SaaS|「機能性」ではなく「失敗への恐怖」に寄り添う

業務効率化ツールの企画において、従来は「残業時間が20%削減できる」というメリットを強調していました。しかし、導入が進まない現場のインサイトを探ると、「新しいツールを覚えて失敗したくない」「今のやり方を変えて周囲から反発されるのが怖い」という現状維持への執着が見えてきました。

  • 企画への活用
    訴求ポイントを「効率化」から「導入時の手厚い伴走サポート」と「今のままでは競合に遅れを取るリスク」に変更。
  • 結果
    担当者の心理的ハードルを下げ、成約率の大幅向上に成功しました。

事例3:高級車メーカー|「ステータス」の裏にある「孤独」へのアプローチ

「成功者の証」として高級車を販売していましたが、ターゲット層のインサイトを深掘りすると、「社会的な顔を守り続けることに疲れている」「車内だけは誰にも邪魔されない聖域であってほしい」という本音が浮かび上がりました。

  • 企画への活用
    走行性能や外装の豪華さではなく、車内の静粛性と「究極のプライベート空間」としての居心地の良さを強調。
  • 結果
    社会的重圧と戦うリーダー層から圧倒的な支持を得ることに成功しました。

インサイト活用Q&A

Q1. アンケート調査の結果があれば、インサイトは見つかりますか?

A1. アンケートは「意識の確認」には適していますが、インサイト発見には不向きです。 インサイトは、消費者自身も気づいていない「無意識の本音」です。アンケートで「なぜ買いましたか?」と聞いても、回答者は後付けの論理的な理由(建前)を答えてしまいます。インサイトを探るなら、行動をじっくり観察するか、1対1で深掘りするユーザーインタビューを通じて、本人の「言葉にならない違和感」を拾い上げる必要があります。

Q2. チームで議論すると、インサイトの解釈がバラバラになってしまいます。

A2. 明文化し、チームの共通言語にしましょう。 インサイトを曖昧なままにせず、例えば、「[ターゲット]は、[状況]において、実は[本音]という葛藤を抱えている」というフレームワークに当てはめて言語化してください。この「1文」がチームの指針となり、企画のブレを防ぎます。

Q3. インサイトを見つけた後、どうやって具体的な企画案に変換すればいいですか?

A3. インサイトを「 How Might We?(どうすれば〜できるか?)」という問いに変換しましょう。 例えば「健康でいたいが、ストイックな努力はしたくない」というインサイトに対し、「どうすれば、ぐうたらな性格のままで健康を維持できるか?」という問いを立てます。この「問い(課題設定)」が具体的であればあるほど、企画のアイデアは自然と湧き出てくるようになります。

Q4. ビッグデータ分析があれば、インサイトは不要ではないですか?

A4. データは「何(What)」を教えてくれますが、インサイトは「なぜ(Why)」を教えてくれます。 「離脱率が上がっている」という事実に、どんなにデータを重ねても「なぜ離脱したのかという心の動き」は予測の域を出しません。データで傾向を掴み、インサイトでその理由を解明する。この両輪が揃うことで、企画の成功確率は最大化されます。

Q5. 「単なるニーズ」と「インサイト」を、簡単に見分ける指標はありますか?

A5. 答えを聞いた時に「言われてみればそうだ!(盲点だった)」という驚きがあるかどうかが一つの目安になります。 「夏だから冷たいものが欲しい」はニーズであり、誰でも予測可能です。一方、インサイトは「夏に熱いものを食べることで、逆に身体を冷やしたい」というような、一見矛盾しているが納得感のある「発見」を含みます。聞いた瞬間に「その視点はなかった」と思えるかが基準です。

インサイトを制する者が、企画を制する

企画の精度を上げるためには、顧客の真の悩み(インサイト)を把握することが不可欠です。

  • 事実の裏側にある「なぜ?」を深掘りし、言語化する。
  • ニーズではなく、心の葛藤(インサイト)を特定する。
  • インサイトを「問い」に変換し、具体的な企画へと昇華させる。

このプロセスを繰り返すことで、企画はより強固で、価値のあるものへと進化します。まずは、あなたが解決したい課題を抱えるターゲット一人に対して、徹底的に「なぜ?」と問いかけることから始めてみませんか?

VoCから勝ち筋・インサイトを抽出するインサイトアナリシス™「Front Agent」

顧客の隠れた本音・意思決定する理由を可視化する「Front Agent」は、対面・Web会議・電話など、あらゆるVoCを自動で解析し、顧客の隠れた本音や意思決定の理由をファクトベースで可視化する「インサイト解析ツール」です。

商談時に録音・録画ボタンを押すだけでAIが議事録を作成し、SFAやCRMへのデータ連携も同時に完了します。さらに、蓄積されたVoCを元にインサイトを抽出し、「勝ち筋」や「顧客が本当に求めている価値」を導き出すことが可能です。

「顧客インサイトを事業に取り入れたいけど、データ収集や分析のリソースが足りない」とお悩みの方は、ぜひ一度「Front Agent」をチェックしてみてください。

インサイトアナリシス™「Front Agent」の特徴

会話を“傾向”データ化し、インサイト抽出

顧客と営業メンバーの会話の特徴を抽出。指定した顧客セグメントごとの特徴 / 共通点から、勝ち筋やインサイトをファクトに基づいて抽出

インサイト発掘のサポートコンサルティング

VoC活用に課題を感じている企業は多く、その主な理由として「集計や分析をするリソースが足りない」「収集や分析に時間がかかり活用するところまでいかない」が挙げられており、この課題を解決するための初期コンサルティングをセットに。

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会話の記録は録音 / 録画ボタンを押すだけ。議事録作成からSFA / CRMへの連携まで全て自動化蓄積された議事録データからインサイトの抽出までをAIエージェントが支援。

CRMやSFAなど既存ツールと連携できる

「Front Agent」は、既存のCRMやSFAシステムと連携することで、商談情報の一元管理と自動記録を実現します。活動記録やレポート作成といった事務作業に費やす時間を削減でき、より多くの時間をマーケティング戦略の立案や顧客との関係構築にあてることができます。 

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