
STP分析とは?インサイトを成果に繋げる活用ステップと成功事例を徹底解説
STP分析とは?インサイトを成果に繋げる活用ステップと成功事例を徹底解説
「顧客インサイトは見えてきたはずなのに、なぜか新商品の企画がボヤけてしまう……」 「競合がひしめき合う中で、自社のサービスをどう位置づければいいのか確信が持てない」
企画やマーケティングを進めていく中で、このような悩みを抱えているケースは非常に多いです。 近年、「インサイト」の重要性が叫ばれていますが、どれほど深いインサイトを発掘しても、それを具体的な戦略に落とし込む「器」がなければ、商品は市場に埋もれてしまいます。
その「器」となるのが、古くから活用されているマーケティングのフレームワークである「STP分析」です。
そこで本記事では、STP分析の基本から、STP分析×インサイトを戦略に変換するステップ、そして成功事例までを解説します。
併せて、音声データをもとに議事録作成からその先のインサイト分析を行うインサイトアナリシス™「Front Agent」も紹介します。
目次[非表示]
- 1.STP分析とは?新商品・サービスに欠かせない3つの要素
- 1.1.Segmentation(セグメンテーション):市場の細分化
- 1.2.Targeting(ターゲティング):狙うべき市場の決定
- 1.3.Positioning(ポジショニング):自社の立ち位置の明確化
- 2.なぜ、STP分析が必要なのか?
- 2.1.顧客のインサイトを「具現化」できる
- 2.2.組織内の共通言語になる
- 2.3.ROI(投資対効果)を最大化できる
- 3.インサイトを活かすSTP分析の実践4ステップ
- 3.1.Step 1:Segmentation(市場を分ける)
- 3.2.Step 2:Targeting(絞り込む)
- 3.3.Step 3:Positioning(差別化する)
- 3.4.Step 4:検証と連動(戦略を「現実の形」にする)
- 4.【事例紹介】STP分析を活用した3つの成功例
- 5.陥りやすいSTP分析の注意点
- 6.STP分析×インサイトで企画を「勝てる戦略」に
- 7.VoCから勝ち筋・インサイトを抽出するインサイトアナリシス™「Front Agent」
- 7.1.インサイトアナリシス™「Front Agent」の特徴
- 7.1.1.会話を“傾向”データ化し、インサイト抽出
- 7.1.2.インサイト発掘のサポートコンサルティング
- 7.1.3.どこでも、誰でもカンタンに使える
- 7.1.4.CRMやSFAなど既存ツールと連携できる
STP分析とは?新商品・サービスに欠かせない3つの要素
STP分析とは、近代マーケティングの父、フィリップ・コトラーが提唱したフレームワークです。以下の3つの頭文字を取ったもので、「誰に、どのような価値を、どのような立ち位置で届けるか」を明確にするために使われます。
Segmentation(セグメンテーション):市場の細分化
まずは、巨大な市場を、似たようなニーズを持つ顧客グループごとに細かく分類します。すべての顧客を相手にするのではなく、まずは「どんなグループが存在するのか」を整理する作業です。
Targeting(ターゲティング):狙うべき市場の決定
細分化したグループの中から、自社の強みが最も活き、かつインサイトを解決できるターゲットを絞り込みます。「誰を幸せにするか」を決める、非常に重要なプロセスです。
Positioning(ポジショニング):自社の立ち位置の明確化
選んだターゲットに対して、競合他社と比較した際の自社の優位性を定義します。「〇〇といえば、このサービス」と思ってもらえるような、顧客の脳内における独自の場所(ポジション)を築くことです。

なぜ、STP分析が必要なのか?
顧客のインサイトを「具現化」できる
インサイトは、顧客自身も気づいていない心のスイッチです。しかし、インサイトだけでは「何を作るか」は決まりません。STP分析を通じて「そのインサイトを持っているのは具体的に誰か(T)」「その人にどう思われたいか(P)」を決めることで、抽象的なインサイトが具体的な商品スペックやメッセージへと変換されます。
組織内の共通言語になる
企画の現場では、営業、開発、プロモーションなど多くの部署が関わります。STP分析というフレームワークを用いることで、「ターゲットはA層で、競合B社に対してCの優位性で戦う」という合意形成がスムーズになり、プロジェクトのブレを防ぐことができます。
ROI(投資対効果)を最大化できる
リソース(予算・時間・人員)は有限です。STP分析によって勝率の高いセグメントに集中することで、無駄な広告費や開発コストを抑え、効率的に売上を伸ばすことが可能になります。
インサイトを活かすSTP分析の実践4ステップ
Step 1:Segmentation(市場を分ける)
市場を切り分ける際、単に「性別」や「年齢」だけで分けるのはおすすめしません。なぜなら、同じ30代男性でも「とにかく安さを求める人」と「家族との時間を大切にしたい人」では、抱えているインサイトが全く異なるからです。
- 切り口のポイント
デモグラフィック(人口統計的変数): 年齢、性別、職業など(最低限の属性)
サイコグラフィック(心理的変数): 価値観、ライフスタイル、こだわり、不安、不満。 - インサイトの活用
「〇〇に悩んでいるグループ」「実は〇〇を我慢しているグループ」というように、インサイトを切り口にして市場を分割することで、次のターゲティングが容易になります。
Step 2:Targeting(絞り込む)
細分化したグループの中から、自社が狙うべき「メインターゲット」を選びます。ここで、あらかじめ抽出していたインサイトと自社の強みを照らし合わせます。
- 判断の基準(6R)
市場規模(Realistic Size): 十分な利益が出るか?
競合状況(Rival): 強すぎる敵が独占していないか?
優先順位(Rank): 顧客の悩みは深く、解決が急務か?
波及効果(Ripple Effect): その層を獲れば、他の層にも広がっていくか?
到達可能性(Reach): 広告や流通でその層に接触できるか?
反応の測定(Response): 施策の効果がデータで追えるか? インサイトの活用
単に「売れそうな市場」を選ぶのではなく、「自社が持つ独自の強みが、最も鮮やかに顧客のインサイトを解決できる場所」をターゲットに設定してください。
Step 3:Positioning(差別化する)
ターゲットが決まったら、彼らの頭の中に「〇〇と言えばこのブランド」と想起してもらうためのアクションが求められます。ここでよく使われるのが「ポジショニングマップ」です。
軸の選び方
競合と同じ軸(価格、品質など)で戦うのは避けましょう。
顧客が重視する「KBF(購買決定要因)」の中から、競合がまだ満たせていない要素を軸に据えます。インサイトの活用
インサイトから導き出した「顧客の切実な願い」を軸にします。例えば、単なる「美味しさ」ではなく、「忙しい朝でも10秒でエネルギー補給できる」といった、ライフスタイルに根ざした独自性をポジションに据えます。
Step 4:検証と連動(戦略を「現実の形」にする)
最後に、STPの整合性を確認し、具体的なマーケティング施策(4P:製品・価格・流通・販促)へ橋渡しをします。
- 整合性のチェック
「ターゲット層(T)が、設定したポジション(P)を本当に魅力的だと感じるか?」
「自社のリソースで、そのポジションを実現できるか?」 - インサイトの活用
商品のキャッチコピーやデザインは、ここで定めたSTPに基づきます。インサイトを突く言葉選びができているか、その場所にターゲットはいるかを最終確認します。
【事例紹介】STP分析を活用した3つの成功例
理美容業界「時短特化型カットサービス」
かつての理髪店市場は「時間をかけて、丁寧に、顔剃りやマッサージも行う」のが一般的でした。
- 捉えたインサイト
「髪を切るだけなのに、1時間も拘束されたくない」「予約が面倒」「美容師との世間話が実は苦痛」。 - Segmentation & Targeting
「忙しいビジネスマン」や「隙間時間を有効活用したい主婦層」など、散髪をリラクゼーションではなく「メンテナンス」と捉える層に集中。 - Positioning
「10分・1,000円台(当時)・予約不要」という圧倒的な利便性。シャンプーや顔剃りをあえて「捨てる」ことで、競合が存在しなかった「低価格×短時間」のポジションを独占しました。
飲料メーカー「特定保健用食品の茶飲料」
健康志向のお茶市場は激戦区でしたが、ある企業は「脂肪の吸収を抑える」という高機能性で成功を収めました。
- 捉えたインサイト
「健康にはなりたいが、美味しいものは食べたい」「激しい運動は続かないが、食事と一緒に飲むだけなら続けられる(罪悪感を消したい)」。 - Segmentation & Targeting
全お茶ユーザーの中から、健康診断の結果が気になり始めた30代〜50代の「忙しくて運動不足を感じている層」をターゲットに設定。 - Positioning
「食事と一緒に飲む、体脂肪対策」という明確な利用シーンを提示。単なる喉を潤すお茶ではなく、「健康を維持するための最も手軽な投資」というポジションを確立しました。
フィットネス業界「24時間・着替え不要の小規模ジム」
高価な月謝を払う総合フィットネスクラブが苦戦する中、急成長を遂げたモデルです。
- 捉えたインサイト
「本格的なジムはハードルが高い」「ウェアに着替えるのが面倒」「ガチでトレーニングしている人の視線が怖い」「少し体を動かすだけで満足」。 - Segmentation & Targeting
フィットネス未経験者、または過去に挫折した「ライト層」に特化。 - Positioning
「コンビニ感覚で通えるジム」。シャワーやプールなどの設備を削ぎ落とし、その分「私服のまま5分で運動できる」という圧倒的な気軽さをアピールし、巨大な潜在市場を掘り起こしました。
陥りやすいSTP分析の注意点
STP分析は強力ですが、一歩間違えると「机上の空論」に陥ります。以下の3点に注意してください。
- 「自分たちが売りたい人」をターゲットにしていないか?
主観的な思い込みではなく、あくまで顧客の行動データやVoC(インサイト)から逆算しましょう。 - STPの整合性が取れているか?
例えば、「高級志向の層」をターゲットにしながら、ポジショニングが「低価格」では、ブランディングは矛盾し、顧客は混乱してしまいます。 - 分析して満足していないか?
STPはあくまで戦略。4P(製品・価格・流通・販促)への連動がなければ、成果には繋がりません。
STP分析×インサイトで企画を「勝てる戦略」に
STP分析は「インサイト」に命を吹き込むプロセスです。
- 市場を多角的に分け(S)
- インサイトを最も抱えるターゲットを定め(T)
- 競合がいない独自の価値を定義する(P)
このステップを踏むことで、あなたの企画は「単なるアイデア」から「売れる戦略」へと進化します。
「顧客は何に悩み、何を求めているのか?」 まずはこの問い(インサイト)を見つめ直し、今日からSTP分析のシートを埋めることから始めてみませんか。
VoCから勝ち筋・インサイトを抽出するインサイトアナリシス™「Front Agent」
顧客の隠れた本音・意思決定する理由を可視化する「Front Agent」は、対面・Web会議・電話など、あらゆるVoCを自動で解析し、顧客の隠れた本音や意思決定の理由をファクトベースで可視化する「インサイト解析ツール」です。
商談時に録音・録画ボタンを押すだけでAIが議事録を作成し、SFAやCRMへのデータ連携も同時に完了します。さらに、蓄積されたVoCを元にインサイトを抽出し、「勝ち筋」や「顧客が本当に求めている価値」を導き出すことが可能です。
「顧客インサイトを事業に取り入れたいけど、データ収集や分析のリソースが足りない」とお悩みの方は、ぜひ一度「Front Agent」をチェックしてみてください。
インサイトアナリシス™「Front Agent」の特徴
会話を“傾向”データ化し、インサイト抽出
顧客と営業メンバーの会話の特徴を抽出。指定した顧客セグメントごとの特徴 / 共通点から、勝ち筋やインサイトをファクトに基づいて抽出。
インサイト発掘のサポートコンサルティング
VoC活用に課題を感じている企業は多く、その主な理由として「集計や分析をするリソースが足りない」「収集や分析に時間がかかり活用するところまでいかない」が挙げられており、この課題を解決するための初期コンサルティングをセットに。
どこでも、誰でもカンタンに使える
会話の記録は録音 / 録画ボタンを押すだけ。議事録作成からSFA / CRMへの連携まで全て自動化。蓄積された議事録データからインサイトの抽出までをAIエージェントが支援。
CRMやSFAなど既存ツールと連携できる
「Front Agent」は、既存のCRMやSFAシステムと連携することで、商談情報の一元管理と自動記録を実現します。活動記録やレポート作成といった事務作業に費やす時間を削減でき、より多くの時間をマーケティング戦略の立案や顧客との関係構築にあてることができます。


