
営業DXとは?5つの成功事例や学習におすすめの書籍、推進のメリットなどを解説
営業DXとは、営業をデジタルで効率化し、組織の構造や文化を変える取り組みです。
営業DXが進んだ企業では、うまくいった商談の録音データから使用頻度の高かった用語や間の取り方などを学習して、次の商談に活かすことができます。
「営業DXに取り組みたいが何から始めたら良いか分からない」とお悩みの営業役員の方もいらっしゃるでしょう。
今回は、営業DX推進のメリットや5つの成功事例、注意すべき点やAI活用のススメなどについてまとめました。
AIの専門家として、さまざまな企業の営業DXを支援してきた経験から、分かりやすく解説します。
記事を最後までチェックすれば、営業DXを推進するうえで最低限知っておきたい知識がひと通り手に入ります。
営業DXとは?
DXはデジタルトランスフォーメーションの略で「デジタル化による社会や生活の形・スタイルの変革」を意味します。
そして営業DXは、営業にデジタル技術を取り入れて業務効率や顧客価値を高めながら、組織の構造や文化を変革する取り組みです。
営業DXは、オンライン商談ツール(Zoomなど)やSFA(営業支援ツール)の導入といった「手段の導入」に留まりません。それはただのデジタル化です。
「組織全体でデータを活用した意思決定が行える仕組み」の構築が、営業DXの本質です。
例えば、顧客情報の一元管理、ナレッジ共有、商談の見える化、成果の再現性向上などが挙げられます。
営業DXがうまくいくと、属人的なスキルに依存する従来型の営業スタイルから脱却できます。
営業DXを推進するメリット
営業DXを推進する主なメリットは、以下の3つです。
- 営業活動の属人化を防げる
- 情報をリアルタイムで共有できる
- 業務効率化によって生産性が向上する
それぞれ詳しく解説します。
営業活動の属人化を防げる
従来の営業は、担当者個人の経験やスキルへの依存度が高く、案件情報・商談内容・ノウハウなどあらゆる情報がブラックボックス化しやすい傾向にありました。
いわゆる「営業の属人化」です。
そこで、SFAやCRM(顧客関係管理システム)を活用すれば、顧客情報・活動履歴・商談の進捗状況などを組織全体で共有できるようになります。
担当者が不在でも他のメンバーが引き継ぎや対応を行えるようになるため、営業の継続性が確保されます。
また、ベテランの営業記録や提案内容を新人が参照できるため、ノウハウの継承やナレッジの蓄積も進みます。
営業DXによって、個人依存の営業からチームで成果を出す営業体制への転換が実現するでしょう。
弊社が提供する話術AI「Front Agent」を活用して、新人がトップセールスより売上を上げた事例もあります。
情報をリアルタイムで共有できる
従来の営業活動では、商談内容や顧客情報の共有が、営業担当者の報告書や口頭ベースに依存していました。そのためどうしてもタイムラグが生じていました。
議事録の提出が遅れたり、情報が伝言ゲームのように曖昧になったりするケースも珍しくなかったでしょう。
営業DXでは、商談内容や顧客対応の履歴を、即時にデータ化できます。またデータ化に留まらず、リアルタイムで共有まで行えます。
例えば議事録は、録音ボタンを押すだけで簡単に作成可能です。録音を停止すると、簡単な操作でそのデータを共有できます。
そのため、顧客対応のスピードと精度が向上し、組織全体でタイムリーな意思決定ができるようになるでしょう。
営業DXによる情報共有の迅速化は、現場の柔軟な対応力を支える重要な要素です。
業務効率化によって生産性が向上する
従来の営業活動では、日報や顧客情報の入力などをすべて、手入力で行わなければなりませんでした。
SFAやCRMの導入によって、こういった日々の業務を簡略化できます。
また、顧客とのやり取りを自動で記録・分類するAIツールを導入すれば、データ収集や振り返り作業の効率も高まります。
弊社が提供する話術AI「Front Agent」では「成功した商談と失敗した商談の差分(どの単語がどのくらい使われているかなど)」を簡単に抽出可能です。
こういった業務の省力化によって、営業担当者はより多くの商談に時間を避けるようになるでしょう。また効率的に営業スキルを改善できるでしょう。
営業DXは単なる業務効率化や時短に留まらず、営業組織全体の生産性を根本から引き上げる重要な取り組みです。
営業DXに役立つ3つのツール
営業DXに役立つツールは、以下の3つです。
- CRM
- SFA
- AIツール
1つずつ詳しく見てみましょう。
CRM
CRMはCustomer Relationshipp Managementの略で、日本語では「顧客関係管理システム」です。
顧客情報を一元管理し、営業活動や顧客対応を最適化できます。
顧客の属性や過去の商談履歴などを記録、蓄積することで、個別のニーズに対応した提案が可能となるでしょう。
具体的には「こういう特徴のある顧客にはこういった提案が良い」といったことが分かります。
また、担当者が不在でも顧客に関する情報に簡単にアクセスできる点も特徴です。
SFA
SFAはSales Force Automationの略で、日本語では「営業支援ツール」です。主な機能は以下のとおりです。
- 顧客管理
- 案件管理・プロセス管理
- 売上予測・予実管理
- 集計・分析レポート
SFAとCRMは似ていますが、SFAは営業活動の効率化、CRMは顧客との関係構築を主目的としています。
データを共有できる、データを分析できるという点は、SFAもCRMも同じです。
「SFAでなければならない」「CRMでなければならない」ということはありません。どちらであれ、営業DXは実現できます。
AIツール
AIツールを活用すれば、CRMやSFAだけでは実現できなかった業務効率化や分析が可能となります。
例えば、商談内容の自動文字起こし、要点抽出、AIを仮想顧客とした一人での営業ロープレなどが可能です。
また文字起こしのようなデータは、CRM・SFAとの連携によって自動で管理できます。
AIを活用した営業ロープレについては、以下の記事でも詳しくまとめています。
関連記事:【役員向け】営業ロープレとは?意味ないと言われる3つの理由やメリット、AI活用のコツなどを解説
営業DXを推進する際に注意すべきこと
営業DXを推進する際は、以下2つの点に注意しましょう。
- ツールの導入が目的化しないようにする
- 組織文化や評価制度も含めて現場への定着を主導する
それぞれ詳しく解説します。
ツールの導入が目的化しないようにする
前の項目では、CRM・SFA・AIツールと、合計3つのツールを紹介しました。
しかし、これらのツールの導入自体が目的化しないように注意しなければなりません。
営業DX本来の目的は、属人化の解消や売上の最大化などによる、組織の成果への貢献です。「ツールを導入して便利になって良かった」では不十分です。
現場では「SFAを導入したからDXが進んだ」のような形式的な評価に陥りやすい傾向にあります。活用の定着には至らず、形だけの営業DXで終わるケースもあります。
まずは営業現場の課題や目標を明確にして、それに最も適したツールを選定しましょう。そして活用法を具体的に定義したり、導入による成果を定期的にモニタリングしたりしましょう。
必要に応じて、活用法の見直しを行うことも大切です。ツールはあくまで手段で、目的ではありません。
組織文化や評価制度も含めて現場への定着を主導する
営業DXでは、ただツールやシステムを導入するだけでなく、組織文化や評価制度も含めた包括的な見直しが欠かせません。
具体的には、現場がツールやシステムを活用する意義を理解し、自発的に活用したくなる環境づくりが大切です。
例えば、ツールによる記録やデータ共有を前提とした営業プロセスの再設計などが有効です。
「使わなくても困らないツール」をわざわざ積極的に使う人はいません。日々の業務のなかに、ツールやシステムを自然と使えるようなタイミングを作りましょう。
営業DXでは、導入以降をすべて現場に押し付けるのではなく、現場と共に進めるという姿勢が重要です。
営業DXにAIを活用すべき2つの理由
以下2つの理由から、営業DXにはAIの活用がおすすめです。
- 商談の記録や要約のみならず分析まで支援してもらえるから
- 簡単に使えるから
1つずつ詳しく解説します。
商談の記録や要約のみならず分析まで支援してもらえるから
従来、営業担当者のトーク内容や顧客の反応を定量的に把握するのは困難でした。
しかしAIを活用すれば、議事録を自動で作成できるのはもちろん、発言内容や頻度、キーワードの使用傾向、トップセールスとの違いなどまで細かく分析可能です。
AIの活用によって、トップセールスの商談パターンを、組織全体で展開できるようになります。つまりナレッジの共有、資産化が進みます。
属人化したスキルやノウハウを共有可能な形で残すことで、チーム全体の営業力が底上げされるでしょう。
「トップセールスの商談内容の見える化・資産化」については以下の動画でも詳しく解説しています。
簡単に使えるから
AIと聞くと、導入や運用が難しそうだと感じる方も少なくありません。しかし、営業DXにおけるAIツールの多くは、現場負担を最小限に抑える設計が為されています。
例えば、商談中に録音ボタンを押すだけで、AIが自動的に音声をテキスト化し、要約してくれます。さらに前述のとおり、商談の傾向や改善点の分析まで可能です。
営業担当者が、何か複雑な操作や入力を行う必要はありません。通常どおり商談に集中するだけで、後から記録とフィードバックが手に入ります。
そのため、新たに高度なITスキルを身につける必要はなく、現場の負担を最小限に抑えて運用できます。
欠かせないのは「商談時にボタンを押す習慣」と「フィードバックを確認する習慣」だけです。
Front Agent導入企業の営業DX成功事例
弊社が提供する話術AI「Front Agent」を活用した営業DXの成功事例を、5つピックアップして紹介します。
- 三菱地所レジデンス株式会社様
- 株式会社エスクリ様
- 株式会社ユーソナー様
- M-SOLUTIONS株式会社様
- 株式会社Bremen様
各事例について詳しく見てみましょう。
三菱地所レジデンス株式会社様
三菱地所レジデンス株式会社様では、マンション販売における商談のブラックボックス化が深刻な課題となっていました。
高単価かつ対面中心の営業でありながら、商談が個室で完結するためです。
マネージャーは断片的な報告書をもとに指導せざるを得ず、営業担当者の育成にも時間がかかっていたといいます。
そこでFront Agentを導入したところ、商談の会話をデータ化することで、トップセールスと新人との間にある「勝ち筋」の違いが可視化されるようになりました。
例えば、どのタイミングでどのような提案をしているのか、顧客の反応にどう対応しているのかなど、従来は感覚で語られていた部分が具体的な行動として共有可能になりました。
新人教育にも役立ち、育成の効率化と営業全体の底上げにつながっています。商談が見える化されたことで、営業の質が大きく向上しました。
三菱地所レジデンス株式会社様における事例については、以下の動画でも紹介しています。
株式会社エスクリ様
株式会社エスクリ様では、ウエディングや宴会事業における接客の質を高めるため、ベテラン社員のスキルやノウハウの見える化が重要な課題となっていました。
しかし、これらを言語化・体系化するには膨大な時間と労力がかかるため、現実的には難しいという壁に直面していたといいます。
加えて、限られた期間で新人を即戦力化する育成体制の構築も急務でした。
そこでFront Agentを導入した結果、ベテラン社員の初回接客における発話や対応内容がデータとして蓄積され、実践に基づいた具体的な学習素材が生成可能になりました。
これにより、新人も短期間で質の高い接客技術を習得できるようになったとのことです。
また提案精度が向上したことで商談時間が短縮され、顧客ニーズの的確な把握と満足度向上にもつながっています。
株式会社ユーソナー様
ユーソナー株式会社様は、日本最大級の法人データベースサービスを提供する企業です。
営業や人事など各部門での業務効率化と情報共有の迅速化を目指し、「Front Agent」を全社導入しました。
導入の背景には「お客様と向き合う時間をより一層創出」「迅速で正確な情報の社内共有」「議事メモ作成時間の削減」といった課題がありました。
複数のベンダーによるコンペを経て「Front Agent」の議事録精度や解析技術が評価され、採用が決定されます。
導入後は、SFA/CRMとの自動連携により、蓄積されたデータの解析が可能となり、マネジメントによるチームの行動変容や個々人のスキルの見える化が実現しました。
これにより業務の属人化を防ぎ、標準化が進み、全担当者の時間創出や成長に寄与しています。
M-SOLUTIONS株式会社様

M-SOLUTIONS株式会社様は、ソフトウェア開発・SI事業・プロダクト事業を展開する企業です。
営業プロセスにおいてインサイドセールスからWeb面談、追客架電まで各担当間で情報連携がうまく取れず、商談記録の手入力や属人化が課題でした。
そこでFront Agentを導入し、kintoneやDialpadと連携することで、各営業フェーズの会話がAIにより自動で記録・可視化され、手間をかけずに情報を一元管理することが可能になりました。
営業活動の全体像が把握できるようになり、進捗状況の把握や戦略立案がスムーズになりました。
さらに、会話のヒートマップやAIによる報告書作成機能により、抜け漏れのない一貫性のある記録が残せるようになりました。
結果として、新人教育の効率化、引き継ぎの円滑化、営業コストの削減といった効果を実感されています。
株式会社Bremen様

20代の求職者に特化した人材紹介業を展開する株式会社Bremen様では、新人研修の非効率さが課題となっていました。
従来はマネージャーが新人の面談に同席して、都度フィードバックを行っていたため、時間的負担が大きかったとのことです。
求職者が面談に来ない場合には、その時間が無駄になることもありました。
この課題を解決するために、Front Agentを導入。すべての面談が自動で記録されるようになり、マネージャーがリアルタイムで同席する必要がなくなりました。
また顧客のポジティブ・ネガティブ反応が解析されることで、客観的なデータに基づいた的確なフィードバックが可能となり、新人の育成効率が向上しました。
さらに同じオフィスで働く営業代行会社への研修・教育も効率化され、売上の安定化と獲得率の向上につながっています。
今後は、トークスクリプトの精度向上や新人営業担当の早期戦力化を目指し、Front Agentの多彩な機能を最大限活用していく予定です。
営業DXはFront Agentにおまかせください
Front Agentは、対面・Web会議・電話、あらゆる商談をリアルタイムで解析し、組織に進化をもたらす話術AIです。
録音・録画ボタンを押すだけで、議事録作成からSFA/CRMへの連携まですべて自動で行われます。また議事録データをもとにトップパフォーマーとの差分が抽出されます。
独自開発したアルゴリズムを搭載しているため、従来の生成AIのような「同じ質問をしているのに異なる回答が返って来る現象」が起きません。
例えば「トップパフォーマーの特徴的な発言が、実際の商談でどういう流れで生じているのか」といった根拠まで確認可能です。
機密情報に関する心配も、自社開発のAIを用いるため不要です。
Front Agentの活用によって、新人がトップセールスより売上を上げた事例もあります。
営業における活用事例は、以下の動画でも紹介しています。
まとめ
営業DX推進のメリットや5つの成功事例、注意すべき点やAI活用のススメなどについて解説しました。
Front Agentを活用すれば、商談データの自動記録や分析、トップパフォーマーとの差分や改善点の抽出などが可能です。
より具体的な機能を知りたい方は、ぜひ資料をダウンロードし詳細をご確認ください。


